光の中で

 消えていく。

 世界が、いや違う。僕の体が。

 僕の生まれた意味は何だったんだろう、この2年間に価値はあったんだろうか・・・。

 いや、レプリカの僕に何か価値があるとは思えない。本当ならあの時、火山の中で灰になっていやはずの命なのだから・・・。

 誰の代わりにもなれなくて、誰にも必要とされなかった僕には・・・。








「シンク・・・」

 誰かの声がする。一体誰・・・?

「シンク・・・」

 もう僕に話し掛けないでよ。どうせ消えるんだから・・・。

「迎えに来ましたよ・・・」

 ・・・あんたは・・・。

「・・・イオン・・・?」

 あんた何でここに・・・?

「シンクを迎えに来たんですよ・・・」

 どうして・・・?

「あなたのことが気になったから・・・では駄目ですか?」

 ・・・最期まであんたはおせっかいなんだね。

「行きましょう・・・?今度は一緒に・・・」

 ・・・分かったよ。全く、あんたには結局叶わないんだね・・・。








僕が生まれた意味はきっとあんたに会う為だったんだね・・・

そう思っても、いいんだよね・・・?








光の中に溶けていく・・・